columnコラム

公認心理師法第42条第2項と紹介状について

2023/08/10

なぜ紹介状が必要なのか

こんにちは、札幌カウンセリングオフィス雪花(札幌市琴似、北区、東区、西区、白石区と、その他の区)の菅原奈緒(臨床心理士・公認心理師)です。

雪花では【よくある質問】や【心理カウンセリングについて】にあるように、精神疾患の治療のために通院されている方には、雪花を利用することについて主治医の先生とご相談していただき、了承を得て、紹介状をご持参くださいますことをお願いしております。

今回は、この紹介状のご用意をお願いする理由についてお話ししたいと思います。

公認心理師法第42条

雪花の心理士は、臨床心理士と公認心理師の資格を有しています。公認心理師は国家資格です。その目的は「国民の心の健康の保持増進に寄与すること」です。この目的のために「公認心理師法」は公認心理師の資格を定めて、業務の適正を図ります。

その公認心理師法において「公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない」とされています。

また、同条第2項において「心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」とされています。

これらは、心理に関する支援を要する方がよりよい支援を受けられるようにということがまずあります。関係者支援を要する方のご了承を得た上で、必要な情報を共有することで、その方についての理解を深めることができます。また、その方を支援する上で、それぞれがどういった役割を果たすのがよいかを検討することもできます。

一方で、支援を要する方に不利益が生じないことも大切です。心理に関する支援を行うものがそれと意図していなかったとしても、主治の医師の治療を妨げてしまうような行為を行うとどうなるでしょうか?支援を要する方にとって効果的な支援が行えないかもしれません。

紹介状とは

医師の紹介状とは一般的には「こういう患者さんがいます。診察をお願いいたします。」というように、医師が医師に患者さんの診察を依頼するときに作成するお手紙のこといいます。

雪花の心理士は医師ではありません。しかし、雪花だけでなくカウンセリングや心理療法を行っているところでは「医師の紹介状をお願いいたします」という説明書きがHPに書かれているところが多いでしょう。それは公認心理師法第42条が示しているように、心理に関する支援を要する方にとって、効果的な支援が受けられ、不利益が生じないようにだといえます。

また、厚労省から出されている【公認心理師法第42条第2項に係る主治の医師の指示に関する運用基準について】には、次のように書かれています。
「公認心理師は、要支援者に対し、当該主治の医師による診療の情報や必要な支援の内容についての指示を文書で提供してもらうように依頼することが望ましい」ということです。

色々なご事情があり、初回までに紹介状が用意できない、ということもあるかもしれません。そういう場合は「こういった場合はどうしたらいいですか?」と、まずは【お問い合わせ】下さい。
「紹介状を用意できない、医師に相談しにくいから、病院にはふせて、カウンセリングを受けよう」よりも、「すぐには用意できないけれど、どうしたらいいでしょうか?」というところから、ご予約についてのやりとりをさせていただればと思います。


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