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北の暮らし その2 渡島地域の気候

2023/05/26

北海道の気候

こんにちは、札幌カウンセリングオフィス雪花(札幌市琴似、北区、東区、西区、白石区と、その他の区)の菅原奈緒(臨床心理士・公認心理師)です。

コラム『札幌カウンセリングオフィス雪花 名称の由来』で、 
『わたしは北海道に生まれ育ちました。雪は毎年冬になると当たり前にあるものです。道外の方も「北海道と言えば冬の雪」というイメージを抱かれる方は多いのではないでしょうか。ただ北海道はとても広いので気候も土地によって違います。太平洋沿岸の地域は降雪量や積雪量が本州で雪が降る地域より少ないこともあるのです。この北海道内の気候の地域差についてはまた別の機会に、詳しくお話できればと思います。』
と、書きました通り、今回は北海道の気候についてとりあげたいと思います。

北海道は、年間の平均気温が5~10℃、降水量が700~1.700㎜と、本州と比べて涼しく雨が少ないです。特に1年でもっとも寒い月は1日の平均気温が0℃以上になるところがありません。
『雪花のある札幌では、初雪が10月下旬に観測される年もありますが、だいたい11月に積雪がはじまり12月に根雪となります。』と、これも『名称の由来』で書いた通り、本州ではまだ秋のころに積雪がはじまります。
そして、この雪がほとんどなくなるのは3月下旬ころです。約4か月間、雪とのつきあいが続きます。
北海道は、積雪寒冷の地であるといえるでしょう。

しかし、
・太平洋、日本海、オホーツク海という異なる三つの海に囲まれている
・大雪山系や日高山脈などの地形
などにより、同じ道内でも地域によって大きく異なる気候特性を持っているのです。

例えば、釧路市は『霧の街』と呼ばれ年間100日ほど霧におおわれています。ロンドンにも匹敵するそうです。釧路に車で向かっていくと、本当に町が霧に覆われているのを見ることができるほどです。これは札幌などではまずありません。

渡島地域の気候

今回取り上げる渡島地域(ここでは、渡島と桧山をまとめています)は、道内でもっとも南側に位置します。
自治体としては、以下があげられます。
長万部町、八雲町、今金町、せたな町、乙部町、厚沢部町、江差町、上ノ国町、森町、鹿部町、七飯町、北斗市、函館市、木古内町、知内町、福島町、松前町
観光で訪れたことがある方も、多いのではないでしょうか。

渡島地域の開拓の歴史では松前藩などが有名ですが、実は鎌倉~室町時代にも限定的ですが和人が移りすんでいました。
本格的な開拓時代には、北海道の中でも冬の厳しい土地に入植した本州のお殿様が、つららをみて情けなさと寒さで涙したというエピソードがあります。昔は今のような冬にも強い建物はなかったので、無理からぬことだと思います。
早い時期から渡島地方に和人が入ったのは、津軽海峡をはさんで本州にもっとも近いだけでなく、北海道では比較的温暖で積雪量も少ないという恵まれた気候であることが関係していたのではないでしょうか。

渡島地域の地理

渡島地域は、先に述べたように北海道のもっとも南側に位置します。より正確には南西部です。
東に太平洋、西に日本海、南は津軽海峡に面しています。海洋の影響を受ける地形だということです。北海道の中でもっとも温暖な気候であるのは、暖流の対馬海流が日本海に流れていることによります。
年間平均気温が10℃を超える地域もあるほどです。

また、高温で多湿な空気が入ってきやすく、日本海側からも太平洋側からも暖かく湿った空気が入ってきやすいため、道内でも大雨の降りやすい地域です。
先に釧路市の霧の多さについて少し触れましたが、渡島地域では八雲町がこの海洋性気候により、夏に曇りやすく霧が出やすいそうです。

雨の次は雪に注目します。渡島地方全体での降雪量の少なさは先に述べたとおりです(ただ、それはあくまで道内でのことで、全国的はけして少なくはありません)。

函館市を例としてあげてみましょう。月別平年値の気象経過図などをみると、11月~4月ころまで降雪があります。これは北海道の他の豪雪地帯とそれほどかわりない期間です。
また、積雪量がもっとも多い1月は40cmを超えており、日本の主要な都市からみると「雪は多い」と言えるでしょう。
ただ、同じく日本の北海道の主要な都市である札幌は積雪量が1mを超えますので、道内の豪雪地帯と比べると「雪は少ない」ということになるのです。

ちなみに渡島地域は130㎞以上の長さを持ち、その中央部に南北に渡島山地が走ります。渡島半島の面積は6,566㎢と、同じく半島を持つ千葉県よりも広いものですが、その80%は山岳丘陵地で占められています。渡島山地には標高1,000m級の山々がつらなっています。
函館市も、山を背にしているため坂が多いわけです。

雪花のオンラインカウンセリングについて

この『北の暮らし』は、『北の暮らし‐その1.エネルギー消費』でもお伝えしましたように、北海道観光、移住、転勤などのご予定のある、またはご検討されている方に向けて、生活者としての視点から、北海道の暮らしに関する情報を発信することを目的にアップしています。

もう一つ、このシリーズを始めた理由があります。
『よくある質問』にもあるように雪花ではオンラインカウンセリングは現状は行っていません。
『将来的には導入する予定です。対面でのカウンセリングを開始した方の場合は、ご事情によっては電話相談ふくめ対面でない方法を検討いたしますので、ご相談ください。』と、『よくある質問』では回答しています。

代表心理士は、カウンセリングオフィス雪花を地域に根差した場にしたいと考えています。この地域とは、北海道全体を指します。
ですがこの土地で生まれ育った私自身も、まだまだ知らないことがたくさんあるのです。
悩み、苦しみを抱えてこられる方のお話に耳を傾けるとき、その方がどのような場で生活されているのかというのは、その方のことを理解しようとする上で、無視できない重要な情報であると私は考えております。

ですから、オンラインカウンセリングを開始する前に、あらためて北海道のことを知るために一から学びなおそうと思いました。このコラムは、そのためにも続けていきます。

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